更年期障害の治療にピルが使われることもある

更年期障害は閉経の時期の前後に女性ホルモンの分泌量が急激に少なくなることで起こると考えられています。
更年期障害の症状のあらわれ方には個人差が大きく、全くなにも症状がないという人から、たくさんの症状が同時に起こっているという人まで様々です。
こういった症状は女性ホルモンが減少することで引き起こされているため、女性ホルモンを含む錠剤であるピルを服用することで、更年期障害の症状が緩和すると考えられています。

更年期障害の症状は閉経を迎える時期の前後だけに起こるもので閉経後にホルモンの量が安定してくると症状もほとんどなくなると言われています。
そのため、ホルモンが急激に減少し始める時期に、身体の外から女性ホルモンを補充することで、ホルモン量の急激な変化を少なくすることができれば症状が緩和でき、更年期障害の症状を最小限にしながら過ごせるようになります。
こういった治療方法をホルモン補充療法といいます。

女性が年齢を重ねると、卵巣機能が徐々に低下してきます。
それにともなって女性ホルモンの作られる量が減少していき更年期障害の症状が出るようになります。
卵巣と女性ホルモンには深い関係があり、卵巣機能が衰えてくると、同時に女性ホルモンの分量も減ってきて妊娠をすることが難しい身体の状態に変化していきます。

更年期障害の症状としては代表的なものがホットフラッシュで、一時的に急に顔などの上半身に汗がでて暑く感じ、一定の時間を過ぎると急に元に状態に戻るという症状です。
他には動悸がする、めまいがでるというのも良く見られる症状です。
精神的なものとしては意味もなくイライラするといったものから、なにもやる気が起きないといったものまで色々なものがあり、集中力が低下する、夜になっても眠れないなどもあります。
これらの症状は身体の中のホルモン量の変化だけでなく、その人の置かれている環境やストレスの程度、さらには個人の性格なども関係しており、全てが複雑に絡み合って症状を起こすと考えられています。

身体に起きている変化をピルを使用してやわらげることができれば、精神的な症状も徐々に良くなっていくことができるでしょうし、ホットフラッシュなどの更年期障害に伴う症状があらわれた時にどのように対処するかを知っておくことも重要です。
対処法を理解していることで症状が起きても大丈夫だと安心して過ごせるようになり、その安心感が症状の緩和につながります。

ホルモン充填療法で更年期障害を治療する

ピルを使用したホルモン補充療法は、まずピルを処方してもらうことから始める必要があります。
ピルは医師の処方箋が必要な薬なので、薬局等で自分だけで購入することはできません。
まずは婦人科を受診して診察を受けてから更年期障害の症状が出ていることを伝えて、ホルモン補充療法を行いたいという旨を伝えましょう。
それから症状や体調などを見ながら医師と相談して、必要があると認められればピルが処方されます。

ホルモン補充療法は女性ホルモンのひとつであるエストロゲンだけを使用するものとエストロゲンとプロゲステロンのふたつの女性ホルモンの両方を使用するものがあります。
更年期障害は女性ホルモンのうちのエストロゲンが減少して起こると考えられていますが、エストロゲンだけを使用して治療をすると子宮内膜がんの発生率が上がるという副作用が報告されました。
そういった副作用をすこしでもなくすためにエストロゲンだけでなくプロゲステロンも同時に取り入れるようになりましたが、乳がんの発症リスクが高まる可能性があるという報告もあり、完全に副作用をなくすことは難しくなっています。

またホルモン補充療法で発生する病気は女性ホルモンが高い値で過ごす時間が長いほど発症リスクが高まるという関連があるので、ホルモン補充療法をしている期間が長ければ長いほど、他の病気を引き起こす可能性が高くなるとも言えます。

しかし、だからといって更年期障害で辛い症状が出ているのに副作用を心配して治療を行わないとなると、毎日苦しい症状を抱えたまま生活をしていかなくてはいけなくなります。
更年期障害は一生続く病気ではありませんが、人によっては非常に辛い症状を伴う病気です。
そしていつ終わるかがわからないという点でも症状の辛さが増しています。
そういった辛い日々を送るよりは、多少他の病気になるリスクが上がるとしてもピルを服用して更年期障害の症状を軽くしていきたいと思うことは当然のことです。

具体的な副作用の説明については婦人科を受診した時に一通り説明があると思います。
その時に聞いてもわからなかったことや、話には出てこなかったけれど自分が気になっていることなど、質問をして疑問を解消してからホルモン補充療法を始めるようにしましょう。
またホルモン補充療法を始めてから途中で副作用が出たと感じる時には医師に報告をして、その後も同じ方法で治療を行うか、別の方法に変更するかを決める必要が出てきます。