ピルを不妊治療に使う方法もあります

避妊具というと日本ではコンドームが一般的です。
とはいえ、これは男性主体のやり方であり、もしも妊娠してしまった場合に一番困るのは女性です。
海外ではピルの方がむしろ使われることが多いです。
中には、初潮を向かえ妊娠が可能となった時点で母親から渡されるような国もあるようです。
最近では日本でも若い人を中心に少しずつピル文化が広まってきています。

避妊のための薬として使われるピルですが、他にもメリットはたくさんあります。
服用することで生理が規則正しく起こるようになります。
妊娠を防ぐばかりか、逆に不妊症治療のためにピルが使われることもあるのです。

不妊症の方の中には子宮内膜症の方もいるのですが、ピルはこの病気の予防にも効果的なのです。
排卵によって子宮の内膜は妊娠に備えて分厚くなります。
そして妊娠しなければ剥がれ落ちて流れていきます。
これが生理です。
このときに内膜の一部が逆流して卵管の先から出てきてしまうことがあります。
卵巣など子宮以外の場所に内膜ができて増殖する症状を子宮内膜症と言います。
もしも発症した場合、受精や排卵が妨げられることから不妊になりやすくなるのです。
ピルを服用していれば排卵が止まるため内膜は膨らみません。
はがれる量もほんのわずかになるため卵巣など子宮外に増殖することが少なくなるのです。

不妊症治療というと身体的にも精神的にもつらい治療が続きます。
もちろん金銭面でも大きな負担です。
ピルを正しい服用方法で続けるだけで望まない妊娠を防ぐことができ、将来の望む妊娠の手助けとなるのです。
そういった意味でもぜひ使用していただきたい薬です。
最近では初潮が低年齢化してきています。
その一方で、出産を経験する年齢はどんどん遅くなってきています。
出産までに訪れる生理の数が増加しているのです。
生理は子宮内膜症の原因となるものです。
そのためこの病気はどんどん増えており、今や200万人以上の患者がいます。

ピルは排卵痛や中間期出血の解消にも最適です。
何かと忙しい現代女性ですが、大切な日と重ならないよう生理日を調整するためにも役立ちます。

21日服用して7日間休薬・あるいは偽薬を服用するという服用方法のペースを守っていれば避妊確率もコンドームよりもかなり高いです。
新しく使い始めたときには消退出血や不正出血・頭痛・嘔吐・むくみといった症状がでることもあるものの、体が徐々に慣れてきてホルモンバランスが落ち着けば副作用は感じなくなるでしょう。

ピル以外にある不妊治療の方法とは?

不妊治療というのは他にも様々あります。
妊娠の高齢化に伴い患者数も年々増えているでしょう。
結婚して子供を望んだにも関わらず、妊娠に至らないという場合にはできるだけ早めに、若いからだのうちに病院に行くようにしましょう。
ただその前に、闇雲に性行為をするというのではなく、自身のホルモンバランスを知るためにも基礎体温をつけるようにしましょう。
排卵日の頃をめがけて性行為を行う、タイミング法です。
最も体への負担も少なく、費用もかからない不妊治療です。
より確率を高めたいのであれば、病院で超音波エコー検査や尿中ホルモン値などを調べてもらうようにして、より正確な排卵日を知るようにしましょう。

排卵の時期をより確実にするためにも、排卵誘発剤を使ったタイミング法というのもあります。
確実に排卵することから、より妊娠しやすくなります。
ただ2つ以上の卵胞が発育した場合には多胎になることもあります。
排卵誘発剤は、クラミッドやセキソビットといった飲み薬もありますし、注射を使ったものもあります。
飲み薬で5回か6回行ったけれども効果がなかったという場合に注射へとレベルアップするのです。

これらの方法がうまく行かなかった場合には人工授精へとステージが上がります。
事前にパートナーから精子を採取しておき、排卵のタイミングに合わせて注射器を使って子宮内に直接送り込むのです。
男性側の精子に問題があり、数が少なかったり運動性が悪かったりといったときに、あるいは女性側の子宮頸管粘液の分泌量が少なかったり粘性が高かったりで、精子が子宮内までうまく到達できないという場合に使われる方法です。
女性の体への負担も費用もそれほどかかりません。

ステージ3の体外受精ともなると女性の体への負担も大きく、一気に高くなるため覚悟が必要です。
精子だけでなく卵子も体外に取り出し、シャーレーの中で自然受精させるのです。
その後、子宮内に移植します。
体外での受精がなかなかうまくいかないという場合にはステージ4、顕微授精です。
顕微鏡下で1個の卵子に1個の精子を入れて受精させるのです。

少しずつレベルが上がっていく不妊治療ですが、そのどれもが50パーセント以下、年齢が高ければ数パーセントと低い確率です。
とはいえ、多くの男女がほんのわずかの希望のためにお金や時間をかけて頑張っているのです。
できれば早い段階で不妊の原因となるものを取り除いてやるためにもピルの服用をおすすめします。